Think, Express, Action

20代後半女性。文系プログラマー。TOEIC910点。インドが好き。旅行、節約、料理、読書が好き。IT系の記録や日記を書き残すブログ,

塾に役目を奪われた学校は一体何がしたいのか。レベル別の授業と飛び級制度が早く導入されてほしい!

学校で退屈して、眠気を感じたこと、ありますか?

私はあります。

 

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反対に、自分が塾(公文式と栄光ゼミナール)に通っていたときは(それほど)眠気を感じなかったし、学びが自分のものであるという感覚がありました。

 

その理由は自分のレベルにあう課題をこなしていたからだと思います。反対に学校の授業は自分の学びではなく、クラス単位での学びでした。今は数学の微積分をやらなきゃいけないから、みんなで微積分をやるというような。

 

私は数学の授業はついていけなかったし、英語は簡単すぎて退屈でした。

 英語はこっそり教師に見つからないよう、別の本を読むか、自分の勉強を進めていたいっぽう、数学は眠くて仕方なかったので、テスト前だけ自宅で勉強していました。

結局英語も数学も授業をろくに聞いていないことになり、自分はひとりで勉強するのが合っているんだと思っていました。

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学校では自分の理解度とは関係なくクラス全体のペースで授業が進んでいきます。

学校よりも塾の方が大学受験に有利な勉強ができるので、塾に通うお金持ちの生徒が多くいます。

 

塾に対する諸外国の考え

「アメリカに塾(詰込学校)はあるか?」という問いに対し、アメリカで教育を受けた人が

「ありません。アメリカには塾のようなものは一般的ではなく、Cram school(詰込学校)という言葉を聞いたことすらない人が大半です。学生は標準試験(SAT, MCAT, GREなど)を家庭教師や参考書、オンライン講座、通っている学校で準備をします。」

と回答しています。

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 Do American Students Go to a Cram School? - Quora

 

また、「Juku」についてWikipediaで、英語とドイツ語のページをそれぞれ読んでみたら面白かったので、紹介します。

塾の商業的な側面から、本当の意味での教育より利益を得ようとする特性があるとして批判されています。全ての生徒が塾にいく余裕はないが、塾にかける費用と比例して、大学入試試験の点数は上昇。平均的な小学生の塾の費用は月に18000円程度で、日本の塾の市場規模は家庭教師なども含めると1991年の時点で1兆9億円ほどとなります。(2016年時点では9650億円(学習塾・予備校市場の市場規模は?今後の市場はどう予測されている?)
貧しい家庭の子供は落第の危険があっても、中学までの義務教育では、強力な日本教職員組合(日教組)は経済的、社会的な平等主義の観点から塾のような手助けをしません。

2008年の国の調査によると、3分の2の親は、塾の役割への期待が高まっている原因は公的教育のゆとり教育や土曜授業の廃止、カリキュラムの縮小などのせいであると考えています。」

 

ちなみに儒教の影響で、東アジアの国に塾は多いらしいです。儒教についてはこちらのブログに詳しかったので参考に。「儒教思想が強いと年上か年下かにこだわる」、この辺が飛び級制度が導入されない足かせになっていそうです。

www.picsim-blog.com

 

学校が生徒のレベルにあった授業をしてくれたら、塾などいらなくなるでしょう。もし私がアメリカに生まれていたら、数学は落第して、英語は飛び級していたかもしれません。

高校への不満


2014年にベストセラーになった「ビリギャル」を読むと、並外れた努力によって短い期間で成績を大幅に上げ、志望校の慶應義塾大学に受かった一人の女子生徒の物語で、
ここでは、学校ではひたすら寝ているが塾や自宅では一心不乱に塾から出された課題をこなす女子生徒が描かれていました。
しかし、高校では大学を受験するのに有利な勉強を進められないから、彼女は高校の授業では寝てしまいます。教師は女子生徒を起こして注意しますが、授業中に寝る許可を得るために母親から涙ながらに教師に直訴してもらって、ようやく授業中に寝る特権を勝ち得ます。それなら最初から高校に行かずに塾の勉強だけすればいいのではないか?大学受験のため、高校卒業資格を得なければならず高校に行かなくてはならないのです。

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どうにも、制度の無駄を感じざるを得ないのです。大学入学資格に高校卒業資格や、18歳以上などと制約がなく、学校で留年する生徒がほとんどいない状況でなかったら、無理に命を削るようにして、高校卒業と同時に大学進学を目指して、勉強する必要もなかったかもしれないのです。

 

日本は進学、卒業、入社のタイミングを横並びにしようとし過ぎるところがあります。いつでも学校に入って、学校を早期卒業できる制度があったら、もっと時間を有効に使うことができると思います。

 

レベル別の授業になったら、生徒のレベルがより均質になって授業が進みやすくなり、知的好奇心を満たす授業が受けられたり、レベル別クラスの編成によって、より多くの生徒と接触する機会が増えると思います。

 

比べてみると、高校生活で35人だか40人だかの同じクラスの同級生と、部活動での人間関係に限られた高校生活を送るのでは出会う生徒の数は100人だかそれくらいでしょう。反対に、英語や数学、生物などの授業ごとに出会う生徒が違ったら?

 

高校の科目数が10科目として、それぞれ全てレベル別授業だったら出会える同級生の数は10*40で最大400人と知り合う可能性があるのです。この間に、人生の友達となるような人と出会えたら?
ずっと同じクラスで同じ同級生と授業を受けるより、出会う人の数は広がります。
自分と同じレベルで英語や数学を理解している友達に出会えるなら、会話が合って面白くなるでしょう。


ベネッセの飛び級制度についての記事

大学への「飛び入学」 日本で広がらない理由とは?|ベネッセ教育情報サイト

 

日本でも飛び級制度の導入が議論されてきました。しかし現実に制度が活用されているかというと、およそ17年前に千葉大学が初めて飛び級入学を認めて、それから現在に至るまで、飛び級入学できる大学は17年間で7大学しか飛び入学を導入していません。

 

千葉大学(国立)
名城大学(私立)
エリザベト音楽大学(私立)
会津大学(公立)
日本体育大学(私立)
東京藝術大学(国立)
京都大学(国立)

平成30年度入試における飛び入学実施大学:文部科学省

また、文科省の通達で「飛び入学により入学した学生は、高等学校などを中途退学して大学に入学するという取扱いとなるものであり」なる一文があり、これは高校中退を意味するものです。つまり大学を卒業しない限り、最終学歴は中卒です。大学を途中でドロップアウトする可能性だって0ではないのに、そんなリスクを負っても飛び入学をする人がいるでしょうか?

 

自分に合ってない授業を聞くのは意味あるでしょうか?効率がいいといえるでしょうか。

 

参考:ノーベル賞の国別受賞者数の比較の図。アメリカがぶっちぎり1位。

アメリカには塾なんかなくても、ノーベル賞受賞者数をこんなに輩出していることを考えると、私が塾と学校に費やしてきた時間は、すごく非効率な時間だったのではないかと思え、欧米諸国の飛び級制度が心底うらやましいと感じます。

 

アメリカがノーベル賞をたくさん取っている図

(出典:http://factboxglobal.com/nobelprize-country)

 

非効率なことを小さいうちから刷り込まれた日本人はおとなになっても枠にはまった考え方しかできずに非効率なことをし続けてしまう気がします。

 

おわりに:

広島大学のサイトにあったレポートが面白かったので、参考に記事にしました。

「Gifted Program(英才教育)や飛び級制度の低い定着率について」

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/3/38887/20160121144631156521/ReportJTP_16_33.pdf

 

おしまいっ!

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